この度、長野市篠ノ井にある篠ノ井駅前商店会の皆さんと、フリーペーパーを創刊することになり、デザイン制作、および監修を担当させていただきました。
これまで、商店会の方々からは折り込み広告などのデザイン制作をご依頼いただいてきましたが、フリーペーパーの制作は初めての試み。どのように作ったらいいのかなど、基本的なところからご提案させていただきました。
これまでの編集担当の方と代わり、別の方が担当されることになったのですが、印刷物などのこういった制作物を作るのは初めてとのことで、記事にするものはどんなものか、取材はするのか、写真撮影はどうするのか、などなど課題は山積。その他に集められたメンバーの方々もお互いの初対面で、取材、ライティング、撮影などをお仕事にされてはこなかった方々で、チームワークを生み出すこともままならない状況…。このままでは立ち行かなくなるのは目に見えており、大きな不安を抱いてしまったのは正直なところ。しかし、その不安を感じているのは多分私一人だっただろうと思います。なぜなら、制作物に取り掛かるのに必要な時間と労力とを理解している方は他にはいなかったはずなので…。
これではどうにもこうにも動きが取れないので、企画立案をほとんど買って出たようなものですが、ご提案いたしました。
まずはこの冊子の名称を決めるところから。せっかく立ち上がった企画なのだから、冊子に命を吹き込まなければと。名前を付けるには由来などがあるはず。それを確定してしまえば、皆さんの中にも目標が定められるだろうと考えました。
篠ノ井駅前商店会というのは、その名の通り篠ノ井駅の入り口から始まり、その先に続く300mほどの長さの商店会です。その駅前に位置する商店会も、どこの地方でも課題になっているように、人通りが少なくなっていることが懸念されているそうです。そこで発案されたものの一つが今回のフリーペーパー。駅前に活気を! といったところでしょうか。
そこで私が考えたのは、まずは駅を利用する人が増えないかぎり、”駅前通り”を通る人は増えないのではないか?ということです。
そのことを踏まえて、
●駅を「起点」にして外歩きをしたくなる情報を掲載するフリーペーパーを作る
●このフリーペーパーを読んだことが「基点」となってなにかが始まる、はず
●篠ノ井駅はその昔、交通の要衝であり、新潟方面、東京方面、名古屋、大阪方面へとそれぞれに向かう「分岐点」であった
●昔から交通の要衝であり多くの人々が行き交ったのだから、きっと篠ノ井は「機転」のきく町だった、はず
そんなことをアピールして、篠ノ井の住みやすさ、ひいては商店会でのお買い物することのメリットなど、篠ノ井の魅力を発信できるような記事を集めることを目指し、様々な「きてん」の意味を捉えてもらえるように平仮名表記で『き点』としました。
商店会の皆さんからのせっかくの発案であるフリーペーパーの発行。一度動き出したのだし、なによりその原動力となった皆さんの思いを推し量ると、この先も続かなければとてももったいない。だからこそ、発行物に名前をつけてあげることはとても大切なことだと思い、こうして名前をつけさせていただきました。
しっかりとした由来があるというのは、テーマ、意図があり、だからこそしっかりとした構想が練られるということ。次号にもつなげられるきっかけとなるはずだと考えています。(→その後無事に、次号にも繋げることができました! 2号目のご報告はこちらです▷)
発行するのは商店会の皆さんですが、この冊子の名称の存在こそが、その動機の「起点」となれれば、とても嬉しいことだと思っています。次号も刊行されることを心から応援し、そして願っています。(もうすでに私の中ではこの冊子に対する情が生まれてしまっています…。笑)
ご依頼主:篠ノ井駅前商店会 様 案件:A5版 8ページ 外四つ折り冊子 担当:エディトリアルデザイン/編集/監修
(今回掲載のイラストは、商店会メンバーの方が担当されました。)
長野市篠ノ井にある篠ノ井駅前商店会様からのご依頼で、商店会を中心とした町の情報を、フリーペーパー風にした冊子で... read more
この度、長野市篠ノ井にある篠ノ井駅前商店会の皆さんと、フリーペーパーを創刊することになり、デザイン制作、および... read more